今日の川柳です。
【第311句:誘ったのに 決まり文句は 払ってね】
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さて、今日はどんな一句が生まれるでしょうか。
一緒に言葉の遊びを楽しんでいただけたら嬉しいです。
私の句に対して川柳小僧くんに批評と模範的な句を詠んで頂いております。
読んで下さった皆様も「私ならこう詠むな」という句がありましたら、ぜひコメント欄にお寄せください。参考にさせて頂きます。
今回は「金持ちの子なのに金が無い友人」について詠まさせて頂きます。
どのように感じていただけるか、楽しみにしています。
背景
若い頃の思い出です。
YouTubeの「笑点」を見ていた時に
「タクシーから先に降りた友人が、料金はこいつから」と、誰かが言ったのを聞いた時に思い出しました。言った落語家の名前も勿論、お題も覚えていません。
本当に古い話ですが、何かの縁で思い出すんですね。
懐かしいので、お話ししますが根はそんなに悪い奴ではありません。
家はかなりの金持ちですが子供には厳しかったのかもしれません。
学生の頃、彼はホンダのN360で学校に来たことがあります。窓は所々ベニヤ張りで、よく走るもんだと感心しましたね。2、3度乗せてもらいましたが、その記憶はあまりないです。
働き始めて、私は広告代理店で働いていました。彼は良く会社に遊びに来ましたね。
しまいには何時の間にか会社で一番かわいい女の子と仲良くなり、私が東京転勤になった時に突然やってきて泊って行きました。
国会議事堂かなんかを夜に見に行ったのを覚えています。
帰り際に「俺、あの子と結婚するから披露宴で友人代表を頼む。
釣りが好きで、よく他の仲間と釣りに行きましたね。ある日、彼の家に泊まりそい釣りに行くことになりました。
その晩は皆でどんちゃん騒ぎ。
釣り船の中で彼は帰るまで寝ていました。
彼以外はそい釣りは初めて、とうとう坊主で帰る事になりました。
それから5、6年経った頃からよく「飲みに行こう」と誘いに来ましたね。
帰る時の彼の決まり文句は「払ってな」。
4人の仲間とお金を出し合って釣り用のダイワ製のゴムボートを買いましたね。
ところが彼の番になってから戻ってきません。売り払ったみたいです。
一人だけ一度も使わずに終わった仲間が可哀そうでした。
誘いに来て飲み代を払わない付き合いは50代になる頃まで続きました。
ある日、偶然、会社の外で彼と会いました。何か、ものすごく疲れた感じで、俺、血圧高いんだ。
見るからにそんな感じでしたが、それ以、来彼とは会っていません。
どうしているかな。
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この背景を元に一句詠んでみました。
寸評
誘われて出かけたはずなのに、最後の最後で「払ってね」と言われる――
この軽い裏切りのような感覚を、三行で見事に切り取っています。
背景にある長い年月の付き合いが、句の奥に静かに沈んでいて、読後にじわりと人間味が残る一句です。
金持ちの家に育ちながら、どこか抜けていて憎めない友人。その人物像が、たった17音でふっと立ち上がるところが魅力ですね。
模範的川柳
誘う癖
財布の紐は
締めたまま
この句の説明
「誘う癖」という言葉で、彼がよく声をかけてきた様子を表しています。
しかし財布の紐は固いまま。つまり、誘うのに払わないという矛盾した行動をユーモラスに描いています。
背景にある長い付き合いと、どこか憎めない性格を、柔らかい言葉で包んだ句です。
川柳小僧くんが詠んだ句に私から一言
なるほどと思いました。
彼の「誘うのは好きだけど払わない」という性格が、短い言葉でよく表現されていますね。
私の句よりも少し客観的で、読み手に状況が伝わりやすい印象を受けました。
一般的な知識:誘った側が払う文化
日本では「誘った側が支払う」という暗黙の了解がある場面も多いです。
もちろん必ずしもそうではありませんが、特に昔の飲み会文化ではよく見られました。
そのため、誘われたのに払うことになると、少しだけ違和感を覚える人もいます。
まとめ
長い付き合いの中で見えてくる人の癖や性格は、時に面倒でありながら、どこか懐かしく温かいものです。
今回の句は、そんな友人との思い出をユーモラスに切り取った作品でした。
背景の物語がしっかりしているため、句の味わいも深くなっていますね。
「メモリー」に関する川柳をまとめています。宜しければどうぞお読みください。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。



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