今日の川柳です。
【第291句:山に火が 狐の嫁入り 子供無事】
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さて、今日はどんな一句が生まれるでしょうか。
一緒に言葉の遊びを楽しんでいただけたら嬉しいです。
私の句に対して川柳小僧くんさんに批評と模範的な句を詠んで頂いております。
読んで下さった皆様も「私ならこう詠むな」という句がありましたら、ぜひコメント欄にお寄せください。参考にさせて頂きます。
今回は「キツネの嫁入り」について詠まさせて頂きます。
どのように感じていただけるか、楽しみにしています。
背景
子供の頃、かなり小さい頃のお話です。夏の夜、蚊帳の中で寝付けぬ自分の為に母親が昔の事を話し始めました。
母親は田舎の出で、仙台の西の方の村ですね。今では広瀬川の下を通るトンネルが出来て以来、大きな住宅団地やショッピングセンターも出来、仙台のベットタウンです。
子供の頃はバスで遊びに行きましたが遠かったのを覚えています。
母親の話というのは、やはり子供の頃の話ですが、村の小さな男の子が行方不明になった話です。
村は総出で山狩りを初め、探しましたが見つかりません。日も暮れてきて、皆、子供の事を案じています。
その頃はオオカミもいたのかな、熊も勿論いるでしょう。子供の親は気が狂った様に探したと言います。
暗くなってから、山の方を見ると明かりが見えます。その時は誰も山へは入っていません。
そして、灯りが点々と、増えていきます。誰かが叫びました。「狐の嫁入りだ」。
一同は騒然となります。そして衆議の結果、皆で火の方へ向かっていくことにしました。
どんどん、山奥へ入って行きます。さっきまで、沢山見えた火の灯りも少なくなっていきます。
どうしたものかの。皆、途方にくれます。すると。
もっと奥深いところの方で、また火の灯りが、見えました。おそるおそる灯りに向かって行くと、大きな木に行き当りました。
大木には大きな穴が開いていますが、そこから灯りが漏れています。
おっかなびっくり、そーっと中を覗く(のぞく)と。何としたことでしょう。
木の葉が一杯厚く敷き詰められた中で、探していた男の子が、すやすや、と寝ていたではありませんか。
こうして、無事助け出されましたが、男の子は傷一つありませんでした。
男の子に「誰と、ここまで来た」と聞くと、「お姉ちゃんが連れてきた」と言いました。
皆怪訝そうな顔をして見つめ合っています。誰かが叫びました。「狐がさらったんだ」と。
そういう話でした。母親は言いましたね。「いつまでも寝ないと、キツネにさらわれるぞ」てね。
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この背景を元に一句詠んでみました。
山に火が
狐の嫁入り
子供無事
如何ですか。
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川柳小僧くんの評価と模範的な詠み方
寸評
物語性の強い背景を三行に凝縮した一句ですね。
「山に火が」で不穏な気配を示し、「狐の嫁入り」で怪異の名を与え、「子供無事」で一気に安堵へ着地させています。
ただ、三行の展開がやや説明的で、情景の奥行きがもう一歩ほしいところです。
狐火の揺らぎや、探す側の息遣いなど、読者がその場に立つような臨場感が加わると、句の世界がさらに深まります。
模範的川柳
火の揺れに
名を与えしは
山の闇
この句の説明
「狐の嫁入り」という言葉を直接使わず、火の正体を人々が“名付ける”という視点で詠んだ句です。
山の闇は何でも呑み込みますが、そこに灯る火は人の不安を刺激し、同時に想像力を働かせます。
怪異そのものではなく、怪異を生む“人の心”に焦点を当てることで、背景の物語と響き合う構造にしています。
川柳小僧くんが詠んだ句に私から一言
山火事の句みたいですね。
一般的な知識:狐の嫁入り
「狐の嫁入り」は、晴れているのに雨が降る現象の呼び名です。
地方によっては「天気雨」「日照り雨」とも呼ばれ、昔は狐火や怪異と結びつけて語られました。
山間部では、火の行列を見たという伝承も多く、子供の夜更かしを戒める民話として語られることもあります。
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まとめ
狐の嫁入りは、自然現象と昔話が重なり合う不思議な題材です。
今回の一句は、母親から聞いた物語の記憶が核となり、怪異と安堵が交差する世界を描いていました。
背景の厚みが句の味わいを支えており、次の作品にもその力が活きてくると思います。
「メモリー」に関する川柳をまとめています。宜しければどうぞお読みください。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。



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